宇都宮駅と栃木県芳賀町の工業団地を結ぶ、次世代型路面電車(LRT)の開業まであと2年に迫った。既存路線の延伸や改良を伴わない新設LRT事業は全国初。2022年3月の開業を目指すLRTは、少子高齢化を迎える地方都市の新たな“市民の足”として期待が集まる。一方、沿線地域では都市開発の動きが活発化し、停滞していた中心市街地の再開発事業まで議論が波及している。(栃木・大川諒介)
新たな“市民の足” つながるコンパクトシティー実現
同事業では「JR宇都宮駅東口」から芳賀・高根沢工業団地(栃木県芳賀町)の「本田技研北門」までの東側約15キロメートルを先行整備し、起終点間を最短37―38分で結ぶ計画だ。整備費は国からの支援費約229億円を含め約458億円。宇都宮市と栃木県芳賀町が整備し、営業主体として両自治体と民間が出資する第三セクターの「宇都宮ライトレール」が担う。1日当たり約1万6000人の利用を見込む。需要が定着する25年度に約1億3000万円の黒字を見込み累積損失を開業9年目で解消する想定だ。
藤井産業などが立地する平出工業団地の近くを経由し、…