消費振興施策に注目
コロナ禍が世界を襲った2020年、中国経済の成長率は実質で前年比2.3%増と、19年の同6.0%増を3.7ポイント下回った。そして、天安門事件(1989年6月4日)で西側諸国から経済制裁を受けた90年の同3.9%増を下回り、改革開放に舵(かじ)を切った78年以降の最低水準を塗り替えることとなった。
その20年を振り返ると、コロナ禍で大打撃を受けた宿泊飲食業の実質成長率は前年比13.1%減に落ち込み、卸小売業も同1.3%減と前年割れだった。一方、コロナ禍ではテレワークやライブコマースといった非接触型の社会経済活動が盛んになったため、情報通信・ソフト・ITサービスは前年比16.9%増と高い伸びを示すこととなった。
需要項目別に見ると(図表)、コロナ禍に伴う経済収縮からいち早く持ち直したのは投資だった。新型コロナウイルス対策として…