債務圧縮・米中摩擦響く
中国経済に明るい兆しが見えてきた。これまで3四半期連続で減速を続けていた中国経済は、2019年1―3月期に前年比6・4%増と前四半期(同6・4%増)と同率にとどまり、一年ぶりに減速が止まることとなった。特に3月の景気指標は明らかな改善を示した。3月の鉱工業生産(実質付加価値ベース、一定規模以上)は前年比8・5%増と、1―2月期の同5・3%増を3・2ポイントも上回った。また、3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50・5%と昨年12月の49・2%を1・3ポイント上回り、4カ月ぶりに好不調の境界線となる50%を上回った。
しかし、春節連休明けの3月は例年、1―2月期を大きく上回ることが多く、4月には反動減となる可能性がある上、「デレバレッジ(債務圧縮)」と「米中貿易摩擦」という景気悪化の根本原因も残っている。18年に中国経済が減速した原因のひとつは…