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コラム

【連載】グローバルの眼/離脱後の英国待つ新たな崖

【2019年12月20日付 国際面 日刊工業新聞電子版

EUとのFTA締結急務

英国の欧州連合(EU)からの離脱の行方を決する12日の総選挙は、ジョンソン首相が率いる与党・保守党が下院の過半数を奪還した。国民投票から3年半、英国民の間では“離脱疲れ”が広がっている。離脱票が保守党に集中し、残留票が野党勢の間で割れたこともあり、今回の総選挙では「離脱実現」を呼び掛けた保守党に軍配が上がった。今後、必要な立法手続きを進め、10月にEUとまとめた新たな離脱案に基づき、英国は来年1月末にEUを離脱することになろう。

国民投票後の英国経済は、当初不安視されたような深刻な景気後退には陥っていないが、成長ペースの下方屈折が顕著だ。離脱協議を巡る不透明感から、企業の設備投資が抑制され、海外からの直接投資や移民の流入ペースが細ったことが影響している。では、離脱確定で手控えられてきた経済活動は再び動き出すのだろうか。英国に進出する約1000社の日本企業も、これで英国を取り巻く事業環境の不確実性から解放されるとみてよいのだろうか。

残念ながら、離脱を巡る不透明感は当面継続しそうだ。企業活動や…

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