少数民族党は伸び悩み
ミャンマーではアウン・サン・スー・チー氏(以下スーチー氏)率いる国民民主連盟(NLD)が8日の総選挙で再び圧倒的勝利を収め、2期目に入る。これまでの5年間、ミャンマー経済は低迷し、公約だった民族融和、憲法改正などがまったく進展しなかったことから、今回の総選挙でNLDの過半数獲得は難しいとの予想もあった。しかし結果は改選議席の8割以上を獲得、スーチー氏のカリスマ性の高さを印象づけた。
今回の総選挙では、シャン州とラカイン州以外の民族系政党などの票が伸びなかった。国軍時代に序列3位の大将でテイン・セイン大統領の後継者と見なされたこともあるトゥラ・シュエ・マン氏の連邦改善党(UBP)からは924人も立候補したが当選者なし。反政府軍の破壊工作が続く北部のカチン州で少数民族系3党が合体し2019年に誕生した新党の「カチン州人民党」からは67人が立候補したが当選できたのは4人だけ。軍政時代に学生デモのリーダーだったコー・コー・ジー氏が結党した人民党(PP)は当選者を出せなかった。モン州でもNLDを見限って民族政党を立ち上げた人が落選。一方で仏教徒中心のNLDでは2人のイスラム教徒を公認し、2人とも当選している。
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