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コラム

【連載】グローバルの眼/単一通貨ユーロの番人交代

【2019年10月25日付 国際面 日刊工業新聞電子版

欧州経済、規律見直し急務

欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁が24日の理事会を最後に退任する。単一通貨ユーロの番人は、ギリシャに端を発した債務危機が欧州各国を襲った2011年11月に就任した。債務不安を抱えるイタリア出身の総裁誕生を不安視する声もあったが、就任直後の利下げ転換と瀕死(ひんし)の銀行への大規模資金供給で金融市場の信頼獲得に成功した。債務危機がイタリアやスペインなどの大国を飲み込もうとした12年には、「ユーロ防衛のためには何でもする」と宣言し、債務不安国の国債を無制限で購入する金融安定化策を打ち出した。欧州を襲った債務危機沈静化の立役者となった。その後も、政策金利をマイナス圏にまで引き下げ、国債や社債の買い入れを通じた量的緩和策に着手するなど、時宜を得た政策対応と巧みな市場対話でユーロの危機を幾度となく救ってきた。

債務危機の克服と積極的な金融緩和によるユーロ安進行の助けもあり、…

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