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コラム

【連載】グローバルの眼/持ち直し始めた中国経済

【2020年8月5日付 国際面 日刊工業新聞電子版

5%前後の安定成長へ

中国では経済が持ち直し始めている。新型コロナ禍が直撃した1―3月期には、国内総生産(GDP)が前年比6.8%減まで大きく落ち込んだが、経済活動を再開した4―6月期には持ち直し同3.2%増まで回復してきた。

需要項目別に見ると、個人消費の代表指標である小売売上高は、1―3月期に前年比16.2%減まで落ち込んだ後、4―6月期にはマイナス幅を縮小した。飲食の低迷は長引いているものの、家電や家具は前年水準を上回り、化粧品は前年比2ケタ増に急回復した。他方、投資の代表指標である固定資産投資(除く農家の投資)は、1―3月期の前年比16.1%減から1―6月期には同3.1%減までマイナス幅を縮め、4―6月期は筆者推計で前年比9.9%増となった。内訳を見ると、製造業の回復ペースは鈍く4―6月期も同1.8%増(筆者推計)に留まったものの、不動産開発投資とインフラ投資が前年比2ケタ増と急回復した(図)。なお、中国経済のもうひとつの柱である輸出は新型コロナ禍が世界に波及して猛威を振るっているため、需要回復のメドが立たず、しばらく低迷することになりそうだ。

一方、中国は5月下旬に新型コロナ禍で延期していた全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を開催した。…

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