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コラム

【連載】グローバルの眼/債務共有化に動き出すEU

【2020年7月3日付 国際面 日刊工業新聞電子版

基金創設、財政統合の第一歩

新型コロナウイルスの感染拡大が一服した欧州諸国は、経済活動や国民生活への深刻な打撃からの回復を目指し、大規模な財政出動を繰り出している。だが、巨額の政府債務を抱えるイタリアなどに自力で経済再建を賄う財政的な余力は乏しい。そこで欧州連合(EU)は、来年からの次期EU予算を増額し、それを裏付けに債券を発行し、加盟国に復興資金を提供することを計画している。

EUの行政執行機関である欧州委員会が発表した原案によれば、復興基金の規模は総額7500億ユーロ(約90兆円)、これはEU全体の国内総生産(GDP)の5.4%に相当する。返済不要の「給付」と要返済の「融資」を組み合わせ、EUの優先課題である気候変動、デジタル化、構造改革などに関連した投資案件に振り向ける。

復興基金の原資として欧州委員会が発行する債券は2028年以降、…

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